急性虫垂炎(盲腸)になって腹腔鏡での手術を体験しました。
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今までにないお腹の痛みで、まさかの盲腸という診断をされました。
でも腹腔鏡で手術といわれても、いったいどんな手術をするのか心配ですよね。
この記事では、
腹腔鏡のメリットデメリット
腹腔鏡をやった方がいい理由
盲腸を腹腔鏡で手術した様子
手術にかかった時間
入院した期間
について書いています。
これから手術を受けるという方も、流れや手術方法が分かるので肩の力を抜いて、安心して受けることが出来ますよ。
目次
盲腸の手術を腹腔鏡で体験した様子
腹腔鏡のメリットデメリット
腹腔鏡での手術は
・開けるところは3カ所。おへそから10㎝くらい左を2カ所とおへその部分。
・大きさは1.5㎝くらい
・虫垂を切除
この手術のメリットは
・傷口が小さくて済むので回復が早い
・傷が化膿することが少ない
・手術時間も短い
・入院期間が短くなる
デメリットは
・全身麻酔での手術になる
・手術費用が高くなる
今では患者さんの身体のことやかかる時間なども考慮し、
デメリットよりもメリットの方が上回るため、
ほとんどの病院で腹腔鏡の手術が行われています。
私も腹腔鏡で手術しましたが
身体に大きな傷が残るより、小さな傷の方がいいですし、
今では1㎝くらいの傷があるだけで、ほとんど目立ちません。
入院期間も短くすんだので、精神的にも腹腔鏡で手術出来て良かったと思います。
手術まで
急性虫垂炎と診断されてから、その日の午前中に手術をすることが決まりました。
手術まで時間がないということで、準備にわらわらしている感じ。
休日に行ったので、看護師さんやドクターが少ない上に
ちょうど交代の時間と重なってしまったようで、更にバタバタ。
とりあえずの痛み止めの点滴をされ、レントゲン、CTなど手術に必要な検査をやったり入院に必要な手続きの話を急いで聞いた感じ。
幸い、主人に病院に連れて行ってもらったので、手術に関する同意書やら、入院手続きに関することは主人にやってもらえることになり、
私は痛みに耐えることだけに専念することが出来ました(笑)
もし一人だったらあの痛みに耐えながら出来ただろうかと疑問です。
この時は
とにかくお腹が痛い。でもじっとしていられず、ベッドの上で寝返りばかり。
熱も39度近く出ていたのですが、暑いのか寒いのかよく分からない。
もともと頭痛もちなのもあって、頭痛もしてきて、でも手術前なので薬も飲めない。
吐き気もしてきて、いつ吐いてもおかしくないという状態でした。
しばらくすると看護師さんがアクセサリーなど身につけているものを外して欲しいと言ってきました。
ピアスは外して、指輪をはずそうと思ったらむくんでいたのか、外れない(汗)
看護師さんが、手術の影響で指が更にむくんで大事なものを切ることになったら大変だから今のうちになんとかはずしましょうと。
えっ?指を切る??と一瞬ドキッとしましたが
あ、指じゃなくて指輪のほうね。と納得しながら、指もイヤだけど、大事な指輪を切られるのもイヤだと思い、グリグリしてなんとか抜こうと思いましたが
抜けない・・・
そのうちに看護師さんが石けんを手にもって私の指に塗り込んでくれたので、なんとか指輪を外すことが出来ました。
あと、ネイルをしていると酸素量がはかれないので普段ネイルをしている人はとってから病院に行った方がいいです。
主治医の説明
痛み止めが効いてきて、少し楽になってきた頃、
消化器外科の先生がやってきて、今回の手術の説明をしてくれました。
手術説明書を手に、
病名、手術名、予定時間、麻酔の方法、輸血について
そして気になる手術の方法と合併症について説明をしてくれました。
虫垂炎を起こしていること
抗生剤ではもう改善しない可能性が高く、手術をして切る方がいいこと
全身麻酔を使って手術すること
手術は腹腔鏡を使って、炎症をおこしている虫垂を切ること
炎症や癒着がひどい場合は、虫垂と大腸の一部を切る必要があるため、開腹手術に変更する可能性があること
合併症と副作用も起こる可能性があること
虫垂炎の手術の場合、感染、腸管損傷、尿管損傷、縫合不全、術後の腸閉塞など
この時点で虫垂炎ということは分かっていたけど、
どんな状態なのか分からなかったので、説明を受けてやっと安心しました。
担当の先生はまだ若い20代?~30代前半?と思える感じだったのですが、
経験は豊富そうだったので大丈夫かなあと。
こういうときの担当の先生ってどんな先生か意外と気になりますよね。
手術直前
その後、手術着に着替えて準備は万端。
点滴の管をよけながらと、痛みに耐えながら着替えるというのもなかなか困難です。
手術着の下には何も着ないように指示されるので下着も脱がなくてはいけなくて、いちいち大変。
もう恥ずかしい気持ちもなにもあったもんじゃありませんでした。
丸1日は絶飲絶食になることは聞いていたので、今のうちに水分!と思って頼んだら、
手術前なのであまり飲まないで欲しいと言われてしまいました。
でも口をゆすぐ程度の量なら大丈夫らしくコップいっぱいの水をいただきました。
前日からお腹の痛みで水分もほとんどとれていなかったのでこの時のお水はほんとに美味しかったです。
手術室へ移動→手術
時間になって、ようやく手術室へ主人と移動。
普段なら歩いて行ってもらうんですけど、熱があるので車いすで行きますね~と言われたんですけど熱がなくても、ぜひ車いすでお願いします!状態でした。
ここで旦那さんとお別れなので一言。と言われ「行ってくるね」とだけ言って手術室へ。
中には助手の先生、麻酔担当、看護師さんがいてお互いの自己紹介とこれから行う手術の説明をしてくれました。
手術台の上には自分で乗らないといけなかったのでよいしょと乗り、そこからは一気に管(くだ)攻撃を受けました。
そしてあっという間に、眠りに落ち気づいたら終わってたという感じでした。
手術後
名前を呼ばれて目が覚めて、まだ呼吸器をつけたまま、尿管が入っているので
動けず、ひたすらベッドで寝ている状態で丸1日。
寝返りもうてないのはけっこうきつかったです。
術後しばらくは、HCUというところにいて次の日には病室へ移動するはずが
病室が混んでいてベッドの空きがないらしく、
窓もない部屋で3日間を過ごしました。
術後の痛みは
さすがに、くしゃみや笑ったりする時は痛みましたけど
昨日までの痛みに比べたら全然でした。
2日目
術後はじめてのお水と食事
次の日、お水を飲んでいいと言われ、看護師さんに飲ませてもらったお水は
身体の中にスーッとしみこんでいくようでした。
びっくりしたのは、術後初の食事にカレーが出てきたこと。
2日半くらい固形物を食べてなかったのもあったし、術後なので、おかゆがでてくるものばかりだと思っていたので、かなりびっくり。
当然食べられるはずもなく、ほとんどそのまま残してしまいました。
看護師さんも、「盲腸の手術の人は普通食が普通なんだけど、いきなりカレーはきついよね。」って苦笑い。
その後に診察にきた担当の先生も、「今日カレーが出たんだって?」と笑ってました。
術後は普通食がでてくるのが普通なの?とそっちにも驚いたけど
胃は切ってないからそんなもんなのかと。
おならは出た?
次の日からすぐに聞かれるのが、おならがでたかどうか。
おならが出るのを確認するのは、術後ちゃんと腸が動いているかどうか
確認するためらしいです。
ブッというのは出てないけれど、スーっていうのは出たので
そのことを言うと、OKもらいました。
とりあえず出ればいいらしいですね。
尿管も外してもらい、
「腸の動きをよくするためにも、今日からなるべく歩いてね。」と言われ
点滴台を杖にしながら、そろそろと歩き始めました。
歩いている間はまだいいけれど、起き上がる時に傷口が痛みました。
普段なにげに腹筋って使っているんだってこういうとき感じるんですね。
3日目
ようやく病院での生活も慣れてきて、
自分で歩いてトイレにも行かれるようになってきました。
傷口が少し痛むくらいで、後は特に痛むところはなくなってきました。
ここくらいから携帯にも触れるように。
別に禁止されていたわけじゃなく、いじる気になれなかったんですね。
そこでようやく、世間はどうなっているのか把握することができました(笑)
月曜日に入院したので、気づけばもう水曜日。
娘たち2人はもう中高生なので、自分のことは自分で出来ますが
やっぱりご飯やらいろいろ心配です。
普段、上の娘を駅まで送迎しているのは私なので
どうしているのか聞いたら、主人に乗せてもらってるとのこと。
お弁当も自分でなんとか作っているみたいで
写メが送られてきたりしてました。
ご飯は上の娘が中心になって作ってくれているらしく
見舞いにくるたびに、今日のご飯何がいいかなあと悩んでいました。
下の娘もいつも以上に家のことを手伝ってくれていたようで
私がいなくてもなんとかなってる状況に安心しましたが
ちょっぴりさみしさを感じたりも。
今回の入院で家族のありがたみもしみじみ感じました。
でもこれで私が帰ったら何もしなくなるんだろうなあ(苦笑)
病室へ移動
ようやく病室に空きが出来て、移動することに。
病室についてからシャワーの許可が下りたので早速使わせてもらうことに。
久しぶりのシャワー、気持ちよかったです。
なんか人間の生活に戻ったという感覚でした。
おそるおそる傷口を見たのですが、
3カ所に小さな傷があるだけ。消毒のためか黒いものがのっていてその上から
オブラートみたいなもので蓋をしている感じ。
聞いたら、今は溶ける糸で縫っているので抜糸も必要ないとのこと。
へぇーって感じです。
痛みもほとんどないので、夕方の診察の時に、
血液検査の結果が良かったらと言う条件で、2日後の退院を提案されました。
4日目
病院生活にも慣れてきたので、
朝から時間を見つけては、病院の中を散策していました。
まだ歩くのに時間はかかるけれど、病室の中より外の空気が吸いたくて
しょっちゅう外まで散歩していました。
もうこのくらいになると、元気なので早く家に帰りたくなってきて
しょうがなかったですね。
血液検査の結果、大丈夫とのことで明日の退院が決まりました。
5日目 退院の日
朝からソワソワ。
「今日お家に帰れますね。」なんて看護師さんと話しながら
帰る準備をして主人のくるのを待っていました。
最後の診察に担当の先生がきてくれたのですが、
最後まで研修医を3人くらい引き連れてゾロゾロ状態。
まあそういう病院なのでしょうがないのですが、
傷口を見るときも、全員で交代でのぞき込むのでちょっと恥ずかしく感じました。
痛みが強いときは、そんなことどうでもいいとか思ってしまうんですけどね。(笑)
退院手続きが済んで、事務員さんが会計の金額を報告しにきてくれる時は
いったいいくらくらいになるのかドキドキでした。
盲腸の手術の場合、高額医療費の対象になるのもあって、金額を調べておいたのでだいたいの金額を予想していたのですが、
出てきた会計は 18万。
認定証は提出してあったので、月も跨がず差し引きされてこの金額。
うーん、こんなもんなのか?
そのうち主人が迎えに来て、会計して無事に退院となりました。
久しぶりに帰った我が家はやっぱり安心しますね。
盲腸の手術でかかった時間は?
人によって症状が違うので、1時間半ほどで終わる人もいれば、
4時間とかかかる人もいるようです。
予定では3時間でしたが
症状から癒着がある可能性が高く
長くなるかもと聞いていた主人は若干慌てたよう。
ご家族の方は待合でお待ちくださいと言われていたので
たとえ2時間半でも待っている方は長く感じたらしいです。
私自身は、全身麻酔で夢の中。なので
気づいたら終わっていました。
実際ひらいたら、癒着はそれほどでもなく、
盲腸の部分を切るだけで済んだので良かったらしいです。
ただ、盲腸の壁が薄くなっていてあと少し遅かったら
破裂していたそうです。
盲腸の手術での入院期間ってどのくらい?長くなることもあるの?
私の場合は傷の状態もよく、おならも出たし、元気だったので
5日間でした。
これでもし、開腹手術になっていたら5日間ではとても出てこれなかったでしょう。
初日 手術
2日目 仰向けで動けずほぼ寝たきり
3日目 尿管をはずしてもらい歩き始める
4日目 病院内を散策 血液検査
5日目 退院
おおまかな流れはこんな感じでした。
幸いにも、予定があまりない週だったので入院していても
あまり影響がなくすみました。
次の週はほぼ予定で埋まっていたので、その週じゃなくて良かったと思いました。
まとめ
盲腸と診断されて手術なんて言われると、顔は平気そうな顔をしていても
内心どんな手術をするんだろうって不安になりますよね。
この記事では腹腔鏡で手術をした体験談を書きました。
腹腔鏡のメリットは
・傷口が小さくて済むので回復が早い
・傷が化膿することが少ない
・手術時間も短い
・入院期間が短くなる
などの理由で今では盲腸の手術はほとんど腹腔鏡で行われています。
手術にかかった時間
私の場合は2時間半でした。
入院した期間
5日間
退院して、しばらくたてば、今まで通りの生活が出来るようになります。
手術後の傷もほとんど目立たなくなりますし、痛みもなくなります。
あなたの手術が無事に済んで、早く退院できますように。